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ルーズヴェルト・ゲーム 8話 感想

ラスト2話。

半沢と原作者から枠からキャストから監督、ナレーションまで被ってるけど、蓋を開けてみると全然違う話。

半沢は完全に日本人が大好きな「勧善懲悪話」のスケールを演出と役者の力で限界まで大きくして、シンプルにそこにだけ焦点を当ててた話で、よく考えると個々の人間ドラマを描いてたわけじゃなかったと思うけど、このルーズヴェルト・ゲームは完全に激熱の「人間ドラマ」

半沢は「半沢直樹」っていう人物が最後まで「生身の人間」って感じがしなくて変な感じだった覚えがあるけど、このドラマは登場人物みんな人間くさい。

例外は毎回いいところで全てを見透かしたような助言をする秘書役の檀れいぐらい?

これはこれで、「リーガルハイ」の里見浩太朗的な役割いい味出してる。

 

とにかく、「スケール小さい版一話完結半沢直樹」みたいな「花咲舞~」よりよっぽど面白いと思う。私は。

 

最初はその「人間ドラマ」部分を野球パートだけに託してた感じだったけど、後半になればなるほど、青島の経営部分にもその「熱い人間ドラマ感」が進出してきて、二つのパートの垣根がいい意味でだんだんなくなってるかんじ。

要はビジネス=ドライな関係ではなく、「ビジネスとは人間関係そのものだ」っていうことを伝えたいのかな。

このドラマ、「逆転に次ぐ逆転」ていうのを売りにしてやってるけど、ほんとはそういう意外な展開だけが見せ場なんじゃなくて、真のテーマは「いい年した熱い男たちの熱い人間ドラマ」なのかもしれない。

いい年したおじさん達が会社のためを思って涙を流す、人間いくつになっても熱い気持ちを持っていたい、青春出来るんだっていうことを改めて感じさせてくれた。

こんなわたしのような小娘がえらそうに言えることではないけれど。

 

野球部のメンツがいい味出してて大好きで、もう最後はぼろ泣き。

監督のパチンコ屋にいるおっさんみたいなダサいジャージとか、主将井坂の田舎くさい方言とか、マネージャーの弱そうだけど昭和のいい人顔とか、セリフのないデブとか、ほんと、よかった。

「タッチ」とか大好きだから、ぱっとしない野球部に未開のエースが入ってきてチームが変わる!みたいな話が例外なく好き。

 

なんといっても、このドラマで都市対抗野球の存在を知ったっていう人が増えることがうれしい。

ドラマと組んだCMも続々と作られているようだし。

今まであんまりメディアに取り上げられてるのは見たことないけど、この青島製作所みたいに、会社の業績不振とともに廃部になってしまう社会人野球のチームがこの日本には少なからずあるんだろうな、と思うと、伝えてくれてありがとう、じゃないけれど、そういう人たちの想いが少しでも報われればいいな、と思います。

とにかく、今年の都市対抗本戦は間違いなく例年以上の盛り上がりを見せることでしょう。

 

来週の最終回に期待。